好きな歌を聴きながら

映画、パフォーマンスが好き。大学生が気の向くままに思ったことを書いていきます。

落語


立川志の輔 「死神」 - YouTube

 

前回のブログ更新から29日がたちました。月に一度くらいは更新しようと思っていると、本当にその程度しか更新できないところに、人の弱さのようなものを感じてしまいます。

 

最近は落語にはまっています。母親が好きで聞いていたようで、CDが僕のパソコンの中にも入っていました。ふと作業の横で流していたら、思った以上に面白かったというもの。皆さん落語ってご存知でしょうか。

 

僕も最近いろいろ調べ始めたのですが、落語ってだいたい30分から60分ほどのものなんですよ、最初の5分はいわゆる マクラ という導入部、最近私はこんな体験をしたとか、一般に人間とはこんな風な経験があるものですよね。なんて話に笑いを混ぜています。

残りの部分が全部本題です。昔、泥棒の鼠小僧という人がおりまして・・とか、緑の窓口の駅員さんに起こった一日の出来事を面白おかしく話してみたり。最後には オチ をつけて上手く話をまとめ、笑いを誘います。

 

その落語を聞いている中で面白いと思った部分を書いていきます。

 

〇導入部(マクラ)が誰にでも受ける

マクラの内容は一般的なもので、誰が聞いても『なるほど』とうなずける、あるあるネタなどを用意しています。ここでの話は日本人なら誰しもが共感する言葉を適切に並べています。日本人の性質や考え方をシンプルに的確についているよう、最近のお笑いよりもよっぽど共感できます。1人でぼけて、1人で突っ込んで、それでいて面白い。こんな話が少しでもできるようになったら、日常会話の幅も広がっていいんじゃないかなぁなんてことも思います。

 

〇本題での声の使い方

本題に入ると話し手はいろんな人を演じ分けます。おばあさんを演じるときはかすれた声を出し、男性を演じるときは力強い声、子供の時は少し舌足らずな高い声、中年女性の場合は大阪のおばちゃんのようなガツガツした、それでいて女性らしい話し方になります。声を出すだけでその人のキャラクター、人となりを伝えられるのってすごいですね。

僕は昔からカラオケだったり、普段の話において声色を使い分けれる人ってかっこいいなぁと思っていたのですが、落語家の方はその点においてもうこれ以上のものはないと思いました。かっこいい!

 

〇マクラと本題のつながり

マクラでは最近あった話を、本題では江戸時代に起こった話をする、なんていう場合は前半と後半で全然話の中身が違っています。それなのに面白い話だなぁなんて聞いているといつから本題に入ったのか分からない。不思議です。何度もその箇所を再生してみると、キーになるフレーズからいきなり流れを持って行ってるんですね。この部分に違和感を持たせないこともすごい。

それだけでなく、マクラの部分と本題でキーワードが重なっているのもすごい。落語全体を通して「人の運」だったり「人間の欲」だったりをテーマにしていたりするんです。

また、動画を探していると、同じ本題の話なのに、中心となる話は同じものなのに、全然違うマクラを準備していて、そこから違うキーフレーズをもとにいきなりそれぞれが同じ本題に入っていくというのもを見つけました。やぁ・・かっこいいですね。

笑いを取るだけでも大変なのに、こんなに作りこまれているなんて、もう伝統芸能の歴史の重みのようなものを少し感じました。

 

 

〇落ちのつけ方

漫才でもよく思うのですが、落ちのつけ方にはパズルのピースがつながったようなすっきり感を覚えます。というのも、落ちというのはその話の集約したもので、最初の方に何度も出ていたセリフを最後にもう一度使ったり、途中に出てきた大事な話をもう一遍引っ張ってきたり。話全体の余韻を楽しめるような、『そこを持ってくるか!なるほど!』という嬉しさがあります。

最近は、この話にどうオチをつけるんだろうと思っていた漫才で最後、テンションでごまかすように大声で『あーもうええわ』とか言って強引に終わらせているのを見ると、まぁやむを得ないな。と思いますが・・落語では少し驚く終わらせ方を見つけました。

落語における人情話というのがありまして、そのオチのつけ方がすごいんです。人情話っていうのは、涙を誘うような、別の誰かのために命をささげたりするような粋な話なので、最後の方にはしんみりした空気が漂っています。『これもう笑う雰囲気じゃないよ・・』なんて思って聞いていると、ちょっととぼけた子役が最後に一言、とんでもない勘違いをして、それを笑いに変えるといったことをしています。(しじみ売り

これを聞いた時に うまい! ちゃんと終わらせてる! と、つい嬉しくなってしまいました。

 

僕が感じたことは以上になりますが、いかがだったでしょうか。先週聞いた『死神』のリンクを張っています。最初の5分ほど、マクラだけでも聞いてもらえれば少し良さが分かっていただけるのではないでしょうか。きっと笑っていただけると思います。

 

それではまた、来月にでも!